2010年10月30日

フランス料理の根底にあるもの

各国のお料理には、そのお料理が作られるに至った根底にある風習のようなものがあります。もちろん、その国の気候や風土、国内で手に入る素材などによっても、その風習は変わってくるでしょう。




輸出入が盛んになったのはごくごく最近のことであって、一世紀も前のこととなると、ほとんどの国が自給自足であったのですから。例えば、日本のお料理であるならば、もともと肉食よりも魚や野菜が多く、他の国ではあまり食べられないイカやタコなども普通に食べるようになりました。




海に囲まれていて海産物が豊富だからでしょう。お味噌やお醤油などのように大豆を発酵させる文化も根付きましたね。




欧米のように乳製品を発酵させる文化ではなかったのです。さらには、油をあまり使わずに、煮たり蒸したりする調理法が発達してきました。




このような感じで、フランス料理にもその根底となった独特の考え方がありました。たとえば、今もフランス人が大好きなチーズなど乳製品の発達がありましたし、フォアグラを食べる習慣もできました。




フランスといえばワインも有名ですが、ブドウという果実を発酵させて飲むという文化が作られました。さらに動物の肉を熟成させるという考え方も出来ましたし、ハーブや香辛料をたっぷり使用することで、薬用にも効果があり、臭みを取るという方法も見出しました。




実際のところ、これらは古代ローマ時代から行われていたことですから、最初にイタリアからフランス料理の基礎が伝わってきたときに、すでにこれらの方法も一緒に伝わってきたのかもしれませんね。何十世紀も前からの風習などによって各国のお料理がどのような物になってゆくのかが決まってくるのだと思います。
  

コックさんが使ってるフライパン



Posted by てこちゃん  at 13:24Comments(0)フランス料理

2010年10月18日

フランス料理の歴史(4)

日本の懐石料理を取り入れたフランス料理が「ヌーベル・キュイジーヌ」と呼ばれて世界中に広まり話題となりました。今回は、その後のフランス料理がどうなったかのお話ですね。




西暦でいいますと1980年代に入ってからの事となります。この年代になるとまたもや、新しいタイプのフランス料理が出現してきます。




もちろん、この時にもオーギュスト・エスコフィエの精神を受け継ぎながら、アラン・デュカス、ジョエル・ロブション、ピエール・ガニェール、ベルナール・パコー、ベルナール・ロワゾーらのシェフが「キュイジーヌ・モデルヌ」と呼ばれるさらに新しいフランス料理を創造しました。キュイジーヌ・モデルヌとは、日本語に訳せば現代的なお料理という意味になります。




ヌーベル・キュイジーヌの後、新しいものと古いものの良い部分を同時に取り入れようとした料理のあり方とでも言えば良いでしょうか。クラシックな技法のもとに成り立つ、現代感覚の料理のことを言います。




このような料理法の発達に伴い、マナーや食器類などもだんだんと洗練されてきました。味の良し悪しを批評する職業まで生まれましたし、19世紀の前半には、本来、政治家であるブリア・サヴァランが「美味礼讃」を著しまして、美食学と美食文学の伝統を確立したりもしました。




そして、現在に至りますが、「ミシュランガイド」や「ゴー・ミヨ」など、レストランの格付けを行うガイドブックが発行されるようになりましたね。ざっとではありますが、フランス料理にはこのような歴史があり、現在に至っています。




何も知らないでフランス料理を食するのと、ちょっとした歴史を知った上で食するのとでは、味わいにも違いが出るかもしれませんよ。
  

コックさんが使ってるフライパン



Posted by てこちゃん  at 13:23Comments(0)フランス料理の歴史